アルピーユを超えて
2014年 07月 07日
モンマジュール修道院からオリーブ街道を通りアルピーユ山脈/山塊:Alpillesを超えると、そこにはプロヴァンス地方にあった古代ローマ時代の都市グラヌム:Glanumに着きます。紀元前4世紀に、まずケルト系民族が、ケルト神話の神グラニス:Glanisを祀る社を建て、のちにここを支配したローマ人達がその社と神性を受け入れ、町の名をグラニスと命名。
アウグストゥスの治世には、アウグストゥスやその娘婿アグリッパが多くの記念建造物:広場、浴場、凱旋門、寺院を建てました。
ゲルマン人によって破壊されてから長い間埋もれていましたが、1921年になって発掘されてフランスにおけるローマ時代の発掘物の中では最重要なものの一つとなっています。
私達は無料で見学できるグラヌム凱旋門と死者記念塔(モゾレ)を訪れてスケッチ。下がグラヌム凱旋門
こちらが死者記念塔
聖なる泉などその他の広大な遺跡は有料(7.5€)で見学できます。
※グラヌム凱旋門
勝利者たるローマ人に鎖で引かれるガリア人捕虜が描かれている。
※死者記念塔
全高18メートルの塔。古代ローマ時代の遺物で保存状態も良い。
さて、グラヌムから道路を隔てた反対側に、ゴッホが晩年過ごしたサン・ポール・ド・モソル精神病院があります。入院生活中も、病院庭に咲くアイリスを描いたり、容態が改善すれば外出して近くのオリーブ畑を何枚も描いていました。
アルピーユ山塊に輝く星々と三日月にうねる雲を描いた彼の作品は、強烈で激しい感情のエネルギーを感じます。
そんなゴッホの有名な作品が生み出された場所にプロムナードが出来ていて、彼の作品紹介板と彼が見ていたであろう景色を体感して過ごすことが出来ます。
下の写真が旧サン・ポール・ド・モソル精神病院
※グラヌムはサン・レミ・ド・プロヴァンスからおよそ1km。