ルイ9世国王の港
2014年 09月 04日
サント・マリー・ド・ラ・メールを出発し、カマルグ自然公園内を流れる運河を無料の渡し船で渡ります。ケーブルカーのようにロープにそって進み50mほどで対岸に到着。※地図のオレンジ☆印地点。
さて今日はサント・マリー・ド・ラ・メールとモンペリアの中間にあるエーグ・モルトAigues-Mortesの町へ...。※地図の赤☆印地点。
エーグ・モルトとは、この町の周囲の沼地と池にちなんでいるのだとか。エーグは『水』、モルトは『淀んだ、死んだ』、つまり『死んだ水』という名前の町...。
ところで、エーグ・モントといえば、ルイ9世の時世にパレスチナの地に第7次十字軍を派遣した港で知られています。十字軍派遣の計画をおし進めていた国王は、地中海に面した漁村の土地を獲得して、初めて王の港としました。1248年にまず兵舎としてコンスタンス塔を建設。さらに城壁を築き、下の上空写真から分かるように城壁が町を取り囲んでいます。
※手前の塩田の水はプランクトンでピンク色。※wikipediaから転写
...まずは城壁の門を通りコンスタンス塔を見学。
1248年に兵舎として建てられたのですが、18世紀以降は新教徒や政治犯の監獄として使われました。
壁の厚さが6メートルもあるのですから脱獄は無理ですよね...。
塔内部の1階と2階ホールの天井はゴシック様式で、特に中2階の回廊窓から眺めるボールト(丸天井)とリブが描くラインがとても美しいです。
2階ホールの見どころは天井だけでなくホール中央の縁石。
15歳の時、ローマ・カトリックに捕らえられ、38年間もコンスタンスの塔に監禁されたマリ・デュラン:Marie Durandが刻んだ『抵抗せよ(register)』という文字が残っています。
寒さと空腹に耐え、この部屋に大勢の囚人と共に時を過ごしたそうです。
塔の屋上からは360度の素晴らしい景色が見渡せ、城壁に囲まれた町並み、海側にはピンク色に染まった塩田、右手奥にはピラミッド型に積まれた塩が見え、反対側はカマルグ湿原etc...眺められます。
屋上にはさらに小塔が建っていて、この小塔は灯台や税関として港を見張る役割を果たしていたそうです。
下の広場で塔をスケッチ。
町の教会を訪ね... そして城壁を出て壁を見ると所々に出っ張りが見えます。実はこれ『トイレ』です。※写真の赤〇部分。
城壁で見張りや戦いをしている兵士たちが、城壁のこの出っ張りで用を済ませ、そのまま下へ・・・。壁や下はさぞやすごい状況で臭いもすごかったでしょうね...。
町を離れ、運河沿いに建つ監視用とエーグ・モントの往来保護の目的で建てられた『カルボニエール塔』を車から見学して、カマルグへ戻りました。
関連記事:サント・マリー・ド・ラ・メール教会