旅行中のPhotoやお絵かきなどをアップするぞぉ~、なのでこのblogをスタート♪ パンとRoquefortチーズが大好きな私がご飯と魚を毎日食べたい相方と出会い、まずは2010年南仏でのバカンスから...


by kyo_youpi2010
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ペスト大流行:菌はどこから?


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※wikipediaから転写

リーニュ峠の記事の中に『ペストの壁』について、wikipediaや他のサイトで読んだ内容をまとめて記述。どれもマルセイユのサン・アントワーヌ港に着いた船舶がペスト菌をアジアから持ってきたというもの。船荷の布を取りに船倉に入った際、ペスト菌保有のネズミの血を吸った蚤に刺され感染、またはネズミの糞の上を歩いて菌を持ち込んだというもの。しかし、今年webに公開された論文についての記事を相方のアンドレが発見。

1700年~1720年にマルセイユで流行したペスト病はアジアから来たのではない!
*仏語記事のタイトル
La Grande Peste de Marseille de 1720 n'est pas venue d'Asie. Le bacille tueur était sur place



ドイツのマックス・プランク研究所:l’Institut Max-Planck (MPI)のチームが、18世紀マルセーユで流行したヨーロッパ最後のペスト菌のゲノムを解読という論文を発表。その論文についての記事です。
※論文名:Eighteenth century Yersinia pestis genomes reveal the long-term persistence of historical plague focus

※今まで常に疑問視されていた点を紹介すると...
1700年以前の1342年~1353年、最初のペスト病の大流行によりヨーロッパ全人口の60%が死亡。このペスト菌のゲノム配列は亜種の一つMedievalis菌と呼ばれるもの。1700年にマルセイユを襲ったペスト菌は中央アジアから再来したのか?それよりもすでにヨーロッパに存在していたMedievalis菌かその系列に近いタイプではないか...。
また18世紀の当時、マルセイユでは入港する全船舶の乗組員や商人を上陸させず、約40日間留めおきして健康状態や病人などを厳重な管理下に置いていた点も挙げていてます。ペストの潜伏期間は、腺ペストで3~7日、肺ペストでは2~3日。蚤から人、人から人に伝染したとしてもこれだけの日数なら発見できます。つまりマルセイユのサン・アントワーヌ港に着いた船舶からペスト菌が持ち込まれるハズがないのでは?!

1994年からマックス・プランク研究所のチームは、1722年のペスト病で埋葬されたマルセイユのお墓から261体の骨や歯髄を集めて研究開始。これとは別にイギリス・カナダ・ドイツなどの研究者がロンドンで収集した歯髄や骨からゲノム解読を行い『14世紀イギリスに大流行した黒死病と言われるペスト菌は亜種:Medievalis菌であった』と2011年に発表。
そして今年2016年の1月、1994年から始めていたマックス・プランク研究所チームが集めたペスト菌のゲノム解読した結果、同じ系列の亜種:Medievalis菌であった。つまり14世紀と18世紀のヨーロッパで流行したペスト菌が同じである事が判明したのです。このペスト菌:Medievalis菌は、突然大流行するまでの約4世紀の間ほとんど変化せず、局地的にしつこく存在し続けていた訳です。マルセイユで大流行したペスト菌はアジアから再来したんじゃなかった!

ペスト菌のゲノム解読から、現在3種類の亜種が確認されています。
(1)亜種:Antiqua菌 541年~542年、東ローマ帝国から始まり大流行した系列。
ユスチニア皇帝の時代に流行したので別名ユスチニアペスト菌ともいわれる。完全なゲノムが入手できなかったが、6世紀のペスト病で死亡したドイツ人の歯髄から採取したゲノム解読に成功。2014年にようやくAntiqua菌Orientalis菌は近い系列と判明。
(2)亜種:Orientalis菌 中国雲南省で1855年に始まり大流行した系列。
アメリカやカナダで見つかったペスト病原体もOrientalis菌系列で、細菌学者イェルサン博士(1863〜1943)によって確認されている。現在世界中(特にアフリカ、そのほかアメリカ・カナダ、インド・モンゴル・中国)で毎年2000〜3000人が発病するペスト菌も、そのほとんどがOrientalis菌によるもの。
(3)亜種:Medievalis菌 1342年~1353年、1700年~1720年にヨーロッパで大流行した系列。
1347年10月、中央アジアからイタリアのメッシーナに初上陸後10年間流行。4世紀後の1700年〜1720年にもマルセイユや南プロヴァンスで猛威を振るった。

1945年には抗生物質を処方することでペスト菌の死亡者は減り、フランスはコルシカ島を除けば根絶されたと表明。でも、亜種Medievalis菌が約600年以上ヨーロッパに存在していた事を考えると、どうなんでしょう?

マックス・プランク研究所
マックス・プランク学術振興協会(MPG)が運営する、ドイツを代表する学術研究機関。
・ 生物・医学分野
・ 化学・物理学・工学分野
・ 精神科学・社会学・人間科学分野
・・・・・・

そうそうペストの発見では、1894年に日本人細菌学者の北里柴三郎博士とスイス系フランス人細菌学者のアレクサンドル・イェルサン博士が各自別々の研究で発見。北里博士のほうが数日早かったのですが、彼のペスト菌の見解に間違いがあったため、イェルサン博士が第一発見者にとなり彼の名前がペスト菌の学名についてます: Yersinia pestis。でも北里博士が残した伝染病におけるその業績はとても大きいですよね。
 
関連記事はこちら⇒リーニュ峠
by kyo_youpi2010 | 2016-04-25 14:11 | France | Comments(0)