クリスマスローズ フェチダス
2016年 04月 08日
標高約1400mのコル・ド・ペルティ(Col de Perty)の近くに車を止めて、食後のお散歩。石灰質で乾燥した土地ですがけっこう緑が豊かで、遠くには雪のアルプス山脈が望めました。
山道を上っていくと、淡い黄緑色、または緑色の垂れ下がった花を咲かせた植物を発見。はじめは山に生えたランの一種?と思ったのですが、たくさんの細い葉が小輪の花を花びらのように覆っていました。小輪の花の花弁は口紅を塗ったように縁どりされ、不思議な魅力を持っているので早速スケッチ開始。鼻を花に近づけて香りを嗅いだのですが...、無臭なのか私の鼻が悪いからか分からなかった。
普段、植物スケッチでは葉や花を触るのですが、根元近くの葉の色がちょっと不気味に感じたので、今回は一度も触れなかった...。
マルセイユに戻り花の名前をネットで見つけました。フランス語名はエレボレ・フェティド:Hellébore fétide。
ヘレボルス原種のフェチダスで、ヨーロッパではクリスマスローズの有茎種(原種)として普通に売られているようです。日本では『クリスマスローズフェチダス』という名前で一般に販売。
クリスマスローズと聞き納得 !
フェチダスとの名のいわれは、葉や茎を指などでつぶすと変わった臭い匂いを発生するためについたのだとか。
この植物には毒があり、植替え作業は皮やゴムの手袋をつけて、直接触らないよう注意が必要。手がかぶれて赤くなったり水泡ができるとか...。『昔は脳の治療薬に使用。しかし神経系統や心臓に悪影響が起こり使用中止』とフランス園芸家のブログに記載されていました。毒と薬は正に紙一重。
私の動物的直感は間違っていなかった.... 触らなくて良かった!